SIAM HIKIFUNE (タイ工場) 5周年
SIAM HIKIFUNEは創業より早5年が過ぎました。当社(タイ国)は熱帯に位置しており、年間を通じて気温は高い状態で推移します。季節は、乾季(11月~2月)、暑季(3月~4月)、雨季(5月~10月)です。 タイへの進出企業は約9,000社に上り、約70,000人の在留邦人が滞在する国となっています。日本は全国的に最大の寒波に襲われ寒い日が続いていますが、天候(温度、湿度)にも左右されるめっきの品質管理、日本との連携についてご紹介いたします。
各めっき液、前処理の昇温
めっき液や前処理は種類にもよりますが、25℃~90℃と様々です。タイは年間を通じて温暖ではありますが、昇温は電気ヒーターやボイラーを使用した昇温が必要であり、温調器による一定した温度管理になります。
当社では、オペレーターへの設備説明、チェック方法、なぜ温度管理が必要なのかを教育し、日常生産においての指差し確認を推進し作業を行っております。
湿度(薬品倉庫)
サイアムヒキフネでは、薬品庫にもエアコンを設置し湿度による潮解防止も行っております。
作業環境
当然、タイ国では暖房設備はありません。エアコンは冷房のみとなります。めっき業は各処理液が加温されているため、工場内は湿度が高くなる傾向があります。しかし、工場の天井高や敷地面積が日本ヒキフネに比べ恵まれた環境となっており暑季を除き快適な環境化で作業が従事できております。
日本との連携
サイアムヒキフネでは立ち上げ当初より蛍光X線膜厚計を導入し、被膜の厚さを現地で日々確認しながら電気めっき特有の高電部、低電部の位置性バラツキを抑制するなどを行ってまいりました。
しかし、膜厚だけでは確認できない表面の状態(解析)などは日本ヒキフネで行っていたため、解析時間に無駄なリードタイムを必要としていました。
今年に入りサイアムヒキフネでもマイクロスコープを導入、表面の解析、不具合箇所の数値化を開始し、不具合の原因追究、官能(目視)検査のバラツキ統一の見える化をスタートさせました。
残念ながら塩水噴霧などの信頼性試験は当社(タイ国)で実施ができませんが、日本ヒキフネとの連携で、サンプル作成(タイ)、Deliveryを考慮した日本での試験日程を調整し今後も進めて参ります。
サイアムヒキフネでの膜厚測定と表面観察