「焼結部品のめっき変色で相談が有りました」
|
最近、よそのめっき工場で加工した部品に、めっき後に黒点が出ると言うような相談があり、当社に変色の原因を問い合わせるケースが2.3ありました。
当社は昔から、鋳物(砂鋳物、ロストワックスなど)のめっきで、鋳物の巣穴からめっきが変色する対策に苦労しておりました。
巣の多い製品のめっき方法は、巣の大きさ、深さ、巣の多さによって加工法が変わります。
少しですが以前、焼結部品も手がけたことがありました。
最近では焼結技術も向上し、焼結部品は多く使われるようになりました。
当社は今から15年前、焼結部品のめっき分野を開拓しようと、熱心に営業をしましたが、めっきの需要が見えませんでした。 |
「焼結部品にはめっきを必要としなかった」
|
その理由は
1. 焼結部品の空孔に油を含浸させ、潤滑部品に使う
2. 水蒸気法でさび止めする
等でそのころは、1.めっきを必要としなかった。2.品質的に多少問題があっても使用していた。
最近は、コンピュータやプリンターなどの精密部品に、焼結部品が多く使われ、耐食性やホコリ対策として、めっきを必要とするようになりました。
したがって、めっきトラブルが発生するようになりました。 |
「焼結部品の仕組み」
|
焼結金属は粉末を極圧をかけ形状を作り、高温下で焼結して作ります。
部品は多孔質で空隙率が5〜10%と言われています。その上空洞は連続しており、表面から内部にまで連続しています。
焼結部品のめっきは、圧扮密度7.2kg/cm3以上(高密度焼結合金)の物や封孔材を減圧含浸した物は、そのままめっきが可能です。
一般に使用されている鉄系の焼結部品の密度は、高いもので7.0kg/cm3(低密度焼結合金)程度です。そのため表面から、内部にかけて穴が連続しているので、めっきの処理液や水分が侵入して、めっき後に変色、ふくれ、腐食などを生じます。 |
「焼結部品のめっき不良対策」
|
対策としては
1 空隙率の改善
2 空孔部の封孔(減圧含浸)
3 ショットピーニング
などがあります。一番望ましいのは、2の減圧含浸法です。減圧下で樹脂、水ガラスを封入して穴をふさぎます。この含浸液の選定が難しく、浸透性が良いと、含浸後の乾燥で空孔に詰まった樹脂が、シュリンクして空孔がうまらないことがあります。
高粘度の含浸剤は、含浸時間が長くその上含浸条件によっては穴が埋まらないケースもあります。
また、含浸・乾燥したあとには表面、特に巣穴の回りに、固化した含浸液が残るので、ショットブラストで丁寧に除きます。そのあとめっき工程に入ります。 |
「発注なさるとき次の注意をしてください」
|
1.
焼結後に絶対に油や水蒸気などをつけない(油分、水分をとるのが困難)
2.焼結部品の機械加工で油を使う場合は含浸をしてから加工する(ご相談下さい)
3.焼結部品はいろいろな素材があるので、含浸技術は経験の有るところに依頼する(ご相談下さい) |
| 当社では、焼結部品を一貫して、減圧含浸によるめっき加工を行っています。 |