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無反射黒色処理のいろいろ


最近、無反射黒色のめっきの要求が多くなっています。用途はプロジェクターのマスクのように、高温下で無反射を要求するものや、酸性雰囲気で黒色無反射を要求するなど、かなり難しい注文があります。黒化にはいろいろな処理法があるので、その種類について簡単に説明をいたします。
 黒色処理(特に無反射用)にはいろいろな方法があります。下地材に光沢がある場合は、黒化処理をする前に表面を艶消し(機械梨地・化学エッチング)をすると、効果的に無反射膜が得られます。

1.化学着色(安定性に欠ける、膜が弱い)

・ 銅、銅メッキ、銅合金などを薬品で黒化する方法です。機能的な使い方として、主に ゴムの接着、プリント基盤の接着に使われます。
 銅の黒化処理は、針状の美しいビロード状の無反射の表面が得られますが、対摩擦性耐食性に欠けます。表面に粉ふき状態に酸化物がつくので、塗料などで定着する必要があります。

・ ステンレスの黒化処理は、材料の種類や表面状態で処理法が変わります。無反射の黒化被膜は得られますが、厳しい密着テストには黒化皮膜が剥がれます。

・ 鉄の黒染めは耐食性が悪く、用途が限られます。

2.めっき法(最近、真黒無反射膜が得られました)

黒ニッケル。

昔からカメラ部品に使われていましたが、変色しやすいのが欠点です。色調も真黒でなく、無反射膜は得られません。

すずーニッケル合金めっき。

黒ニッケルの改良版ですが、黒ニッケルに、比べ傷つきやすく、真っ黒にはなりません。無反射は得られません

黒クロムめっき

美しいビロード状の黒い無反射面が得られますが、めっきのつき回りが悪く、全面有効とする製品には向きません。
 無反射面は、指紋などがつくと干渉作用で色調・光沢が変わります。下地メッキとしてニッケルメッキを施します。ニッケルめっきは電気めっきなので、寸法精度に問題があります。

レイデント処理

 これは商品名です。基本的には黒クロムメッキです。寸法精度が高いとしていますが、下地メッキをしないのですから当然です。したがって、メッキのつきにくいところは素地が露出するので、黒い塗料で補正をしています。耐食性はきわめて悪くお勧めできません。表面は黒クロムと同じような黒い無反射面が得られますが、ひっかけの接点が無めっきになります。そこを黒い塗料で補正するのです。
 問題はレイデント処理の加工で、加工業者が塗装していることをハッキリ言わないことです。

無電解ニッケル黒化処理

 これは無電解ニッケルメッキと化成処理を組み合わせたものです。
 無電解NIメッキで寸法精度と耐食性を保証し、化成処理で真っ黒な無反射の被膜を作ります。
 真黒・無反射・耐久性・寸法精度を要求する用途には、この処理法をすすめます。
 原理は、無電解ニッケルの表面を薬品で溶解し、表面に黒い酸化物の細かい針状結晶を作るのです。この黒い表面は、Niのリン酸塩皮膜が生成されています。
  Ni−P−Oの酸化皮膜層ですから、化学的に安定しています。さらに、下地メッキが無電解ニッケルなので、皮膜の寸法精度と耐食性に優れています。
 主に真空容器の内面や、高温雰囲気や過酷な条件下の光学系部品に使われています。

 黒化処理の採用にあたって注意することは、黒い無反射面は指紋や、油汚れに汚染され、薄い干渉膜ができそれがシミ状に見える事があります。
 用途によっては、樹脂塗装やハードコート塗装(水ガラスに一種)によって、指紋防止・汚れを防止することがあります。
 組立などで汚れた場合は、溶剤でふき取ればもとの無反射面となります。


※ この記事は1998年10月時点のものです。


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