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「ゾルゲル法による高硬度透明薄膜(無機透明皮膜)の開発」のお知らせ

(本件はTLO[TechnologyLicensingOrganization]による大学との共同研究が認定されました。)

@ なぜ高硬度透明薄膜(無機透明皮膜)の開発を手がけたか。
  いままでめっき製品(金銀等にめっきしたドアハンドルやカバン金具等の耐久消費財)は、めっきの保護膜として、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂の有機塗料を塗装していました。この有機系の保護膜は、硬度が低いうえ耐食性も無く、商品寿命が短いという欠点がありました。
 最近の傾向として、高級耐久消費材(家具金物、建築金物、水回り金物)に、金・銀めっきなど、装飾めっきの需要が増えてきています。丈夫さを求められる建築金物や、自動車部品、また高湿度で使われる浴室や、厨房等の水周り金具は、有機塗膜では実用性・信頼性に問題がありました。
 過去に、ガラスコーティングや、セラミックコーティングなどの研究が進められてきましたが、皮膜の均一性、透明性、硬化温度などで問題が多く、一般の装飾めっきには応用ができなかったのです。水ガラスのようなコーティング材は、水に弱く白化現象が起こります。さらに作業する上で、粘度が高く塗布後に液溜まりがでるなどの欠点があります。また、この液溜まりは、乾燥中に破裂して、外観を悪くし耐食性もなくします。
 そのため、透明性があり、高硬度・高耐食性を持つ薄膜が求められており、このたび無機−有機皮膜の研究開発をすることになりました。
A いままでの塗装の問題点
 普通は、めっき後に水洗→乾燥→アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂などを溶剤塗料として塗布しています。
 作業方法は、静電塗装・ガン塗装で塗膜を作ります。環境面で作業者は有機溶剤を吸い込むなどの問題があり、さらに消防法での規制や大気汚染の環境規制も受けております。
 有機塗膜は高温多湿下での耐久性が低く浴室、洗面台などには不向きです。耐食性を向上させるために2回塗りをしますが、塗装膜厚が厚くなりめっき本来のもつ金属感が失われます。
 有機塗料の塗膜硬度は、鉛筆硬度で約2〜3Hなので傷が付きやすく、建築金物のドアハンドルなどは、腕時計・指輪などで傷がつき耐久性が低下します。
B この開発で期待されること
 この研究の目的は、有機塗料に変わる耐食性に優れた無機系の薄膜コーティングによって、めっきの保護膜の強度向上、加工工程での省エネルギー、環境対策が目的です。

現在使用している有機溶剤を必要としない(対環境規制・職場の環境改善)
現在の生産工程は、めっき後に十分な乾燥をしてから、有機塗装を行うので停滞時間があります。
  新しい工程ではめっき後、純水洗浄し、表面に残った洗浄水を切った後、すぐに無機−有機皮膜液に浸せきすることができます。続いて乾燥・焼き付けの工程に入ります。この事で停滞時間が無くなり、停滞中のゴミ付着、変色の発生がなくなります。
塗膜硬度は、無機質系特有の硬さをもち鉛筆硬度で9Hになります。
膜厚は0.5〜1μmで、有機塗装に比べて1/10と薄く、金属外観が失われることがありません。
薄膜であることで、製品の表面に均一で透明な皮膜をつくることが出来ます。
C 開発期間を短くするためにTLOによる共同研究を実施しています。
 中小企業にとって研究開発は、研究開発費、人材の捻出などが大きな負担になります。当社ではこの問題を解決するために、助成金制度と大学の技術移転機関(TLO)制度を利用しました。
 このテーマは、中小企業経営革新法の認定をうけ、初年度のF/Sを終え、現在は東京都の助成制度を利用して開発研究に取り組んでおります。
 不況下なので、助成枠に対して10倍前後の応募がありましたが、運よく当社のテーマが採択されました。今後は応用面を含めて、研究開発を大学と共同で行い、研究開発期間を短縮する事が可能になりました。
D 装飾めっきは、技術移転によって中国生産が盛んになっております。この開発によって商品の付加価値を高め、新しい市場の開拓が可能となります。
E 開発のロードマップ

 

 基本的なコーティング技術を10月までに確立する予定です。11月には本コーティングの外観、機能性を評価していただける、ユーザーを募集する予定です。
 具体的な仕様に基づき、コーティング液の調整、工程を適切化して量産に向けた共同開発を行いたいと考えています。そして、来年度には量産できるようにラインを整備する計画です。

※この記事は2003年 9月時点のものです。


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