ひっかけでもバレルでもない特殊なめっき方法

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ひっかけでもバレルでもない、特殊なめっき方法

今回は特殊なめっき方法について紹介します。
通常皆さんが知っている、もしくはこうするのかなと思い描くめっきは、めっき槽にめっきする素材を治具に取り付けて浸漬するものでしょうか?

そうです。
めっきは治具(ひっかけ)に吊るしたり、バラバラな品物をドラム型のバレルに入れてめっきするものです。しかしながら、今回それらひっかけやバレル方法にも属さないめっき方法について紹介します。
この方法はめっき膜厚の精度が高い、膜厚が100ミクロンと非常に厚いなど難しい場合に適しています。

今回紹介する内容は、30年前に生産まで立ち上げた技術です。
会社に一台は必ずあるというチェックライターを電動化するために、金属製印字ヘッドのダイヤルを、軽量化するのにポリアセタール樹脂に代替したケースです。
チェックライターの樹脂の強化と、インクのり性を高めるめっきの研究でした。チェックライターは改ざんを防ぐために、小切手、手形用紙を数字ダイヤルの刻印で、紙を切りながら印字をします。そのためには、ダイヤルの数字キャラクターの高さを均一化しなければなりません。さらに密着強度を高めるために深いエッチングをほどこし、特殊な通電治具と、めっき厚みを均一にする自公転めっき装置を開発しました。
100μmの厚めっきを各数字に均一に電着させ、インクのり性は無光沢ニッケルめっきで解決しました。

最初、40Φのダイヤルに化学Niを施しますが、アニーリングやエッチング条件によって、寸法に変化が生ずることがわかりました。後に、この寸法変化は成形条件まで制御することが求められました。
次いで、化学Niを施したダイヤルに電気めっきを行いますが、治具や接点の不具合で相当苦しめられました。1本の治具に30個差し込み、上部から電気を流しますが、電気が流れない、化学Niが焼けるなど様々なトラブルを経験しました。すべてのダイヤルに均等に電流を流すことが如何に難しいことか思い知らされました。

上述した内容は専門的に少々分かりにくい説明もあったかと思いますがお許し下さい。
めっき膜厚を0.1mm(100ミクロン)と厚く、且つ公差0.01mmに均一に施すことが最重要課題でした。その後、この技術は様々な製品への応用展開に繋がりました。

・15φ×1,500mmの原子炉の冷却管に0.2mmのニッケルめっき

・航空機部材600mm×20φに150±10ミクロンのニッケルめっき

・さらには30φないしは40φ×500mmの金属管に20±2ミクロンの銅めっき

など、様々な製品にこの技術が用いられました。

棒状や長い管などに、均一でmm単位の厚いめっき、ニッケルめっきや銅めっきを容易に施すことができます。さらに純金や金合金、高硬度光沢銀めっきなど他の金属でも対応できます。高精度で新たな合金組成のめっきを考えられている企業様は、一度お問い合わせください。

今まで積み上げた技術と最新の制御技術により、最新のめっき技術を知って頂ければと思います。

スプリング接点

自転公転ニッケルめっき

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