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磁性と応力腐食割れ
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| 「磁性」と「応力腐食割れ」は共に素材の表面からは判断できないトラブルです。
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<応力腐食割れについて>
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曲げ加工や深絞り加工した製品がめっき加工後にポロッといった感じで割れることがあります。これは金属に加わっている応力が引っ張り強さ以下であるのに、ある環境が作用すると割れてしまうのです。この現象を応力腐食割れと言います。
おそらく腐食のうちでもっとも劇的に起こり、影響の大きいものといえます。環境によって金属が脆化するとの考えから、環境脆化の一種であるとされています。
この原因は2つあって、1つは応力の助けによってごく局所的に腐食が起こり、ちょうどナイフでケーキを切るように金属が失われて割れる場合です。もう1つは腐食によって生じた水素が金属中に入って脆化を生じるものがあります。
前者の場合、割れを生じる環境が金属によって特定であるというのが特徴です。
たとえば炭素鋼は高温の苛性アルカリや硝酸塩溶液、ステンレスは塩素イオンを含む溶液、真ちゅうはアンモニア、アルミニウムは食塩水、チタン合金はハロゲンを含むメタノール中で割れます。
最近では原子炉(BWR)のステンレス配管の割れ、液体アンモニアタンクの割れ、硫化物を含む原油のパイプラインの割れなどが新しい問題として現われ、盛んに研究が行なわれています。
これらのことから変形加工した製品の梱包は、素材と梱包材料の組み合せによって割れが起こることがあります。
一例ですが、曲げ加工を施した真ちゅう素材にめっきした製品を発砲スチロールのような材料で梱包し半年、一年という期間で保管しておくと割れが発生したことがあります。これは、発砲スチロール中のアンモニアが真ちゅう材に影響し応力腐食割れを生じたものと考えています。
したがって、応力腐食割れは素材と環境との関係から起こるのであって、めっきの前処理やめっき工程によって生ずるものではありません。よって、応力腐食割れを防ぐには、梱包材料や保管場所の環境などをよく考えた上で使用して下さい。
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<磁性について>
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鉄物(いろいろな鉄鋼など)をニッケルめっきすると品物の周辺、例えばプレスの破断面にザラが発生したりします。普通に考えると鉄や鋼材ならびにステンレスが磁性を帯びているとは思ってもいなかったことです。
鉄鋼材や磁性については、専門でないので多少不備があると思いますが、知り得たことを述べます。
専門書を見るとNi含有量の少ないステンレス(SUS302など)は、冷間圧延などの加工によって素材の結晶が変化し磁性を持ちます。オーステナイト系の結晶構造が加工によって一部マルテンサイト系の結晶構造に変化します。このマルテンサイトが磁性を帯びるのです。
また、炭素の含有率が高い高炭素鋼鋼材なども加工したり、研磨したりすることで、結晶が変化し磁性を帯びます。つまり、プレスの刃を研磨したり、研いたりすることで刃先が磁性を持つことがあります。このように磁性を有したプレス機で切断加工した鉄鋼材は、プレス加工部が微少ですが磁化しま
す。
当社では磁化したものをめっきしザラ不良になることを防ぐために事前に、縫い針を糸で吊して調べています。必要に応じて脱磁処理を行なっています。
したがって、脱磁処理が出来ない場合には、加工せずに素材を返却することもありますので、ご了承下さるようお願い致します。
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