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磁石に化けるめっき素材


 一般には鉄は磁性を持っていないと言われています。針などを近付けても、くっつくことは、ありません。めっきの場合、鉄物(いろいろな鉄鋼など)にニッケルめっきなどを施すと品物の周辺、例えばプレスの破断面にザラが発生したりすることがあります。素材を調べるとザラが出たところは、針がくっつくほどの磁石になっています。めっきは電気によって析出させるので、素材に磁性があると析出する方向が狂ってしまい、ザラや異常なめっきとなります。

 普通に考えると、鉄や鋼材ならびにステンレスが磁性を帯びているとは思ってもいなかったことです。でも、強弱の差はあるにしろ鉄材やステンレス材の加工品には磁性が発生しています。
 鉄鋼材や磁性については、専門でないので多少不備があるかと思いますが、知り得たことを述べます。
 専門書を見るとNi含有量の少ないステンレス(SUS302など)は、冷間圧延(薄く伸ばす加工)などの加工によって素材の結晶が変化し磁性を持ちます。オーステナイト系の結晶構造が加工によって、一部マルテンサイト系の結晶構造に変化します。このマルテンサイトが磁性を帯びるのです。
 炭素の含有率が高い高炭素鋼鋼材なども機械加工したり、研磨したりすることで、結晶が変化し磁性を帯びます。

 <磁性を帯びやすい素材>

炭素の含有率が多い高炭素鋼鋼材の切削物、
冷間圧延鋼板のプレス物 のステンレス材
特に、Niの含有量の少ないSUS302など

<加工で磁性を帯びる場合>

プレスの刃を研磨したり、研いたりすることで刃先が磁性を持つことがあります。このように磁性を有したプレス機で加工した鉄鋼材は、プレス加工面が微少ですが磁化します。

<機械的に折り曲げや切削などをした場合 >

 当社では、磁化したものをめっきしザラ不良になることを防ぐために、加工内容の強い物は事前に、縫い針を糸で吊して調べています。必要に応じて磁性を取り除く処理を行なっています。

 脱磁処理が出来ない場合には、加工せずに素材を返却することもありますので、ご了承下さるようお願い致します。

※ この記事は1994年4月時点のものです。


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