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黒色とミリタリーカラー


デザイナー 「このサンプルの黒色は、すいぶん黒いですね。いままでの黒色はどちらかというと、青みがかったり紫がかったりしていましたね。」

工場長

「そうなんだ、今までの黒色というと @めっき法では 、a.ニッケルと亜鉛や錫の合金めっき、b.黒ロジウム、c.黒色クロムがあるんだが、黒いといっても青や紫の系統の黒さだったり、表面は黒いが粉っぽかったりしていたんだ。
また、A着色法では、鉄の黒染、銅の黒染、亜鉛の黒染などたくさんあるが、これも褐色や青色系の傾向があるんだ。
そのほか、めっき法にもいえることだが、皮膜の耐蝕性や強度にも不満があったんだ」
デザイナー 「このサンプルは本当の黒色というか、ウーン漆黒という感じですね。
ところでめっきの丈夫さはどうなんですか」
工場長 「そこが一番苦労したとこなんだ。もともと、このめっき法は、自動車部品の防錆処理用として、亜鉛めっきでの皮膜の黒さ、防食性の良さで広く使われていたんだ。しかし、これをそのまんま装飾用途に使うには、微妙なところに欠陥があったので、亜鉛めっきとクロメート法に特殊な改良を加えたんだ。それだからこの黒色処理のままでも使えるし、さらに塗膜をつけて使っても良いのだよ。」
デザイナー 「いろんな方面で広い用途が期待されますね。きっとハイプレートの黒にも使えますね。
このオリーブ色のサンプルは何ですか」
工場長 「これは昔風にいえば国防色、今風にはミリタリーカラー色だな。これもさっきのサンプルと同じように、亜鉛めっきの防食処理として発展したんだ。最強の防食法なんだ。どう!落ち着いた濃緑色でシックじゃないか」
デザイナー 「珍しい色ですね、初めて見ました。
このグリーン色は装飾めっきの世界では全く使っていませんね。」
工場長 「この緑色塗膜も、工業用途では色調の均一性はうるさく言われないんだが、装飾用途となると気を使うところなんだ。
これにも、ひと工夫も、ふた工夫もしてあるんだ。何事もそうだが、”アヒルのみずかき”はどこにでもあるんだ」

と、いうようなわけで、新しい黒色めっき、ミリタリーカラーのサンプル受注を始めました。
少々時間がかかりますが、サンプルご希望の方は営業に申しつけください。ラック、バレルどちらも可能です。

当社は常に新しい表面処理の方法を提案しております。予告になりますが、時代の要求であるコストダウンに応えるため、「めっき」をせずに、素材の表面を生かした表面加工を研究中です。近いうちに皆様のもとにサンプルをお届けいたします。


※ この記事は1994年9月時点のものです。


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