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商品名でのめっきの問い合わせについて


  変わった名前の表面処理(1)

当社では表面処理について、色々な会社から様々な問い合わせを、1日に数件の割合で頂いています。ところがその中には、一般の参考書などには記載されていない名称や処理方法についての問い合わせがあります。 これらは、ある会社の商品名が、そのまま処理方法を表すようになった名称で
す。そのこと自体は、その会社にとってたいへん名誉なことですが、どんな処理方法なのか分からないこともあります。そこで、今回はこれらの代表的な名称について説明します。

1.パーカーライジング(パーカー)処理

日本パーカー(株)の製品名で、正式名はパーカーライジングと呼ばれますが、通称「パーカー処理」で通っています。この処理は、一般
に鉄上のリン酸塩による化成処理のことです。リン酸塩皮膜処理の目的は、塗装の密着性を良くするための下地処理です。仕上がりは、灰
色から黒色の砂目になります。そのため塗装に対してアンカー(錨)効果を発揮して密着性を向上させます。

2.アロジン処理

日本ペイント(株)の製品名で、アルミニウム上のクロメート処理です。通常、アルミニウムの上に塗装するときの下地処理として利用されていますが、塗装をせずにクロメート処理のみで耐蝕性皮膜としても使用されます。
アルミニウムのクロメートの種類は、黄色、淡緑色、無色があり、最も一般的なものは黄色の皮膜です。

3.カニゼン処理

日本カニゼン(株)の製品名で、無電解ニッケルめっきの通称です。 無電解ニッケルめっきは、文字通り電気を使わずにめっきします。
高温のめっき液に浸漬するだけで鉄、銅、銅合金、アルミニウムなどの上にめっきする方法です(それぞれ前処理は異なります)。 特長として、めっき皮膜の硬度が高いこと、めっきの膜厚が均一に析出することなどが、上げられます。 (株)ヒキフネには、無電解ニッケルめっきとご用命下さい。

4.レイデント処理

レイデント加工ともいわれ、レイデント工業(株)社の処理方法です。 名前のゆかりは「冷却電鍍」から来ていると考えられ、0〜−5℃と低温度でめっきをする、黒クロムめっき法と言われています。 黒クロムのため耐食性は、期待できません。従って、塗装を施すことにより変色を防いでいます。 装飾目的では、当社で行っている黒ニッケルやニッケル−スズの黒めっきなどに比べて見劣りがします。

5.ダクロダイズ(ダクロ)処理

米国ダクロ−シャムロック社の製品名で、10数年前に塩水噴霧試験3,000時間に耐える画期的な高耐蝕性皮膜として 日本に紹介されました。そのため、当初亜鉛めっきの強力なライバルになると恐れられた処理法でした。
しかし、実際には塩水噴霧試験では良い成績を示しましたが、実車暴露試験では亜鉛・クロメートめっきに劣ることが分かり、 また、コストも亜鉛めっきより高価なため普及にブレーキが掛っていると言われています。
ダクロ処理の実体は、クロム酸・亜鉛粉末・塗料の混合物を塗布するもので、一種のジンクリッチペイントといわれています。

変わった名前の表面処理(2)


先々月号で「変わった名前の表面処理」について記しましたが、続きとして紹介します。先回でも説明したとおり、ある会社の商品名が独り歩きしてしまい、何処に加工依頼したらいいのか分からなくなってしまいます。

1.タフラム処理

金属表面化学(株)の製品名で、アルミニウム、アルミニウム合金に硬質陽極酸化処理により、酸化皮膜を形成し、 その多孔性の表面にテフロンを含浸したりコーティングして、テフロンを融着させる方法です。
この処理の特長としては、耐摩耗性がよいこと、硬度が高いこと、自己潤滑性があることが上げられます。 なお、処理剤の販売はせず、依託加工のシステムが取られています。 当社はテフロン粒子のニッケルめっき皮膜中に分散させたはっ水性、自己潤滑性めっきを行っています。

2.ニムフロン処理

昨年ヒキフネリポート4月で「つるっとしためっき」で紹介した複合めっきです。テフロンと無電解ニッケルの双方の特性を併せ持つめっきです。 テフロン(ポリテトラフルオロエチレン)の粒径は、0.3μm程度であり、無電解ニッケルめっき液にテフロン(PTFE)粒子を混ぜてめっきすると無電解ニッケルの析出と一緒にテフロン粒子も共析します。 したがって、先のタフラム処理が表面にテフロンを融着させるのに対し、皮膜全体にテフロン粒子が均一に共析しています。つまり、摩耗しても初期と同様のテフロンを含んだ表面が現れます。めっき皮膜が無くなるまで、一定した特性を維持することができるめっき皮膜です。 耐摩耗性、離型性、はっ水性、滑り性などに優れています。

3.タフトライト処理

ドイツのデグサ(株)の商品名です。迅速塩浴軟窒化処理の一種で、520〜570℃、10〜120分で行う液体窒化処理です。この窒化処理による表面硬度は、本格的ガス窒化法の場合の約半分で、ビッカース硬度570前後である。 塩浴の主成分は、青化カリウム、シアン酸カリウム、炭酸ソーダが含まれていて、チオシアン酸が分解して発生する窒素と炭素が鋼材の表面に侵入して窒化と浸炭が進行する。 硬度は比較的低いが、耐摩耗性、耐疲労性、耐食性が良いので高価な特殊鋼の代わりに自動車部品、工具などを作るのに用いられている。

4.インコ

インコ法とは、ステンレス鋼の表面に透明な酸化皮膜を100μm〜300μmの厚さに形成させ、この皮膜をコントロールすることにより、厚みが一定の厚みになった場合に生ずる干渉によって特有の色を出させる方法である。 酸化皮膜を得る方法には、加熱酸化、化学酸化、電気化学酸化法などがあるが、これらの着色皮膜は軟らかく、強度的にも耐食的にも良好とは言えない。 これに対して、1972年、インターナショナル・ニッケル(通称インコ社)から硬膜処理法が発表され、皮膜を強化したカラーステンレスが得られるようになった。我が国でも技術導入が行われ実生産が行われている。 インコ社は、日本において公開特許が認められている(特開昭46-7308)。そのプロセスは、図のように浸漬して発色させるカラーリング工程と、これを陰極処理して皮膜を硬貨させるハードニングから成っている。

脱脂処理 → カラーリング → ハードニング

@カラーニングの浸漬時間によって色調は異なってくる。
18-8ステンレスの時間による色は、次のようになる。

青色 15分
金色 18分
赤紫 20分
緑色 22分

※ この記事は1996年4月時点のものです。


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