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マグネシウム合金上の装飾・工業めっき


 マグネシウムは他の実用金属と比べると、1、最も軽い(アルミの3分の2) 2、比強度が大きい 3、鋳造性がよい(特にチクソモールドは良い)4、寸法安定性に優れる5、切削加工性がよい 6、放熱性がよい などの利点から、構造材として使われるようになりました。
 昨年(1998年)から、携帯用の情報機器(ノートパソコン・カメラ・ビデオ)などに、マグネシウムの用途が拡大されたことは、皆様もご承知の事と思います。
  今回は、いまホットなMg合金ダイカストの表面処理について解説します。
  マグネシウムは非常に活性な金属で、湿度の高いところに放置しただけで、腐食が始まります。普通の水道水に漬けておくだけでも、激しく腐食が起きます。
 もちろん、めっき加工で一般的に使われる、塩酸や硫酸などには激しく反応します。その条件だけでも、めっき加工は難しいと言えます。
不思議なことに、酸ではクロム酸やフッカ水素酸など、アルカリでは、苛性ソーダ・アンモニア水には侵されません。マグネシウムの表面処理は、そのような性質を利用して行うのです。
 マグネシウムの表面処理は大きく二つにわかれます。一つは塗装下地の化成処理、もう一つは、めっきです。化成処理の主流はクロメートでしたが、6価のクロムが環境問題から否定されるようになり、ノンクロメート(クロム酸を使わない化成被膜)処理に移ってきました。
 いろいろな処理方法が提案されており、目的はマグネシウムに耐食性をもたせ、塗装下地として密着性を高める目的です。今日の携帯情報機器の主流です。
 もう一つのめっきは、マグネシウムの電位が低いので、めっきをすると腐食が起きやすくなる等の理由から、開発が遅れています。今後は化成被膜ほどの主流にはなりませんが特殊な用途に使われます。
打撃・強いすれ・風雨に曝されるような悪い環境など過酷な使用条件で使用される機器、または、マグネシウム上に特殊な機能めっきを施すなどがあります。Mg上のめっき技術も確立されていなかったことも、用途開発を遅らせた原因です。
 なぜ、めっきは難しいのでしょうか。以下に説明します。
Mg表面の調整(めっきをする製品の表面を調整します)

@

研磨(チクソモールドを含めて、Mg製品の鋳造欠陥の除去にノウハウがない。
亜鉛・アルミダイカストのめっきの経験がない。)

A

Mg製品の表面状態を見て、乾式研磨(ベルト・ホイール・バフ・ブラシ・ブラスト)と湿式研磨(バレル研磨・液体ホーニング)の選択のノウハウがない。

B

耐食性の高い多層めっきのノウハウがない。

C

銅めっき後の研磨ができない。
などがあげられます。しかしどの方法も、少し前まで量産していた亜鉛・アルミダイカストのめっき加工でさんざん経験したことです。今でこそ、亜鉛ダイカストは比重の関係から衰退し、加工ノウハウをもつめっき工場が少なくなりました。 では亜鉛ダイカストのめっき工場ならMg製品のめっきは出来るでしょうか。
 亜鉛ダイカストのめっきは、かっては難しいめっきとされていましたが、前処理(脱脂・活性化)には鉄や、真鍮のめっきとほぼ同じ薬品が使われていました。めっき工程もさほど変わりません。
 Mgは、最初に説明したように、普通に使う薬品は使えず、めっき工程も特殊となります。さらに、まだ一般化していない技術なので、めっき工場では加工を引き受けられません。とくに装飾用として、外観を求められ、さらに防せい・耐食性も要求されます。
 耐食性を向上させるのに障害となるものに、素材のピンホールとめっきのピンホールがあります。素材のピンホールは研磨(湿式研磨、乾式研磨)で除きます。めっきのピンホールは多層めっきで防ぎます。
当社では、亜鉛ダイカストのめっきには歴史があり自信をもっております。その技術を応用し、さらに耐食性に優れたMgめっきを提案いたします。
 現在、当社はMgめっき用テストプラントで、皆様の試作を承っております。このテストプラントで品質(耐食性・外観)を評価していただきたく存じます。

※ この記事は1999年2月時点のものです。


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