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ネオジム磁石へのめっき

強力な磁場を持つが、脆くて錆びやすいという大きな欠点の「ネオジ磁石」。

 密着性のよい、錆びないめっきが完成しました。


【ネオジム磁石(ネオジ磁石:Nd-Fe-B)へのめっき】
 磁石には永久磁石や電磁石がります、電磁石はコイルの固まりですが、永久磁石には、さまざまな種類があります。永久磁石を大きく分けると、アルニコ、フェライト、希土類の磁石に分けられます。
 現在最も生産数の多いネオジム磁石は、希土類であるネオジム(Nd)と、鉄(Fe)、ホウ素(ボロン:B)を主成分とする希土類磁石です。その磁気特性は従来のフェライト磁石より格段に優れており、同じ希土類磁石であるサマコバ磁石(サマリウム-コバルト磁石:Sm-Co)よりも更に2〜3割高い性能を有します。
 ネオジム磁石は、原材料に鉄を約70%含有するため安価に製造でき、強度も優れています。その反面、主成分が鉄である為、錆びやすいという欠点があります。
こ れまでネオジムに密着、耐食性の優れためっきを行うことは困難でしたが、当社ではこれに成功し、ネオジムの欠点を大幅に改善させることが出来るようになりました。
 
【磁石の歴史】
 産業としての磁石は1930年頃のアルニコ磁石(ニッケル-コバルト)から始まりました。しかし、原料であるコバルトの価格面の問題からその主力はフェライト磁石に推移しました。時代が進み、より小さく、より強力な磁石が求められるようになると、希土類磁石であるサマコバ磁石(サマリウム-コバルト)が登場しました。多くの用途に使用されるようになるにつれて、低価格、高強度、そして更に強い磁力を持った磁石の研究が進み、開発されたのがネオジム磁石です。その生産量も急激な増加を続け、現在ではフェライト磁石を抜いてトップへと成長しています。
 
【各磁石の特徴】
磁石の種類 長所 短所
アルニコ磁石 機械強度が強い  コバルトが高価
フェライト磁石 錆びない、温度変化に強い  磁力が弱い、脆い
希土類磁石  サマコバ磁石 温度変化に強い、磁力が強い 脆い、コバルトが高価
ネオジム磁石 磁力が強い、機械強度が強い  錆びやすい
 
【めっきについて】
ネオジム磁石は機械的強度に強いものの、耐食性に弱い性質があります。そのためには、めっき処理が不可欠でした。しかし、従来のめっきには、耐食性、密着性に問題がありました。
  密着 耐食性 めっきコスト 量産性
従来のめっき × × △〜○
ヒキフネめっき
 
 従来のネオジム磁石に対するめっきは、密着性が得られないため、全体を厚くめっきで包み込む方法が主流でした。
 そのため、衝撃や、めっきのほんのわずかな欠陥に対して、極度に弱く、用途、耐食性に制限がありました。当社ではネオジム磁石に対し、密着性の優れためっきを行う事に成功しました。
 耐食性と密着性を改善することにより、ネオジム磁石の最大の弱点である耐食性を向上させることが可能になりました。ネオジム磁石の用途は、大小さまざまな形状のモーター、磁気軸受、医療器具、装飾品、電子部品など様々であり、用途に応じて要求品質は変化します。一般的な耐食性はもちろんのこと、特に高い耐食性を必要とされる場合なども、その要求に応じためっきをご用意、ご提案させていただく事が出来ます。
 
【当社加工のネオジム上のめっき・耐食性試験結果】
項目 条件   当社 備考
塩水噴霧試験 35℃×5%NaCl
(JIS Z-2371)
720時間OK
RN10 ※1
判定は、レイティングナンバ法で行った。
 ※1 RN10(腐食面積率0%)
人工汗試験 JIS L-0848D 240時間OK めっき仕様によって耐食性は異なる。
P.C.T.試験 ※2 125℃×85%RH 100時間OK  ※2:プレッシャークッカ
密着試験 碁盤目方
(JIS K-5400)
はがれなし
判定10点 ※3
 ※3:切り傷の1本ごとが、細くて両側が滑らかで、切り傷の好転と正方形の一目一目にはがれがない。
 

※この記事は2004年3月時点のものです。


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