環境と人

めっきと環境

めっきを語る際、環境への影響は避けて通れない問題です。
水質汚濁や土壌汚染を招く六価クロム、乾燥用の有機溶剤(トリクロールエチレン)など…。
これら社会問題化するような有害物質は、品質の維持に不可欠な存在でした。

もちろん、めっきの業界各社も、環境負荷の低減には絶えず取り組んできました。中でもヒキフネは業界に先がけて、これらの問題の解決に挑戦してきました。環境を守ることは、地域に愛され、また現場の従業員の健康を守る絶対条件だからです。

お客さまのためにヒキフネは、業務を停止するのではなく、これらの有害物質の代替技術を開発する道を選びました。たとえば、六価クロムに替わる三価クロム、金属アレルギーのリスクを下げる白色合金「ユリジウム」、鉛を含まない無電解ニッケルなどなどです。当初は品質を犠牲にせざるを得なかった部分もありましたが、今では環境と品質の両立を実現しています。ヒキフネがISO9001/ISO14001の双方の認証を得たのにはそのような意義があります。特に、ISO14001取得後は、省資源・省エネルギーを継続しています。

一方で、めっきが環境にプラスの要因があるといえば驚かれるでしょうか。めっきは「究極の省資源技術」とヒキフネは考えます。
たとえば、ホテルやレストランでは、長いこと使い込まれ、傷ついたナイフやフォークなどを再びめっきすることで、新品同様に蘇らせています。めっきは、表面にわずか1/1000mmの厚みをつけるだけで、美しさ、機能性、加工性といった新たな命を素材に吹き込みます。ヒキフネは、めっきの長所と弱点を理解した上で、環境にフレンドリーな会社でありたいと願って、努力を続けています。

経営方針

ヒキフネグループは「人・設備・資金をフル活用しお客様の満足する製品を提供し続ける」と共に、めっき技術(その加工と設計・開発)を通して豊かな社会作りを目指します。
そして、やさしい地球環境を作るための改善を続けていきます。

    1. 法令順守の経営のもと、取り決めを守ります。
    2. 省エネ、省資源に努め、汚染を予防します。
    3. 産業廃棄物、化学物質(製品への含有を含む)を管理し、削減します。
    4. 目的、目標を決め、見直しを行います。

改訂日:2017年9月1日
改訂版数:第1版
株式会社ヒキフネ
代表取締役社長 石川英孝

紛争鉱物対応方針

コンゴ民主共和国およびその周辺国で採掘された鉱物の一部が武装勢力の資金源となり、紛争、戦争犯罪、環境破壊、児童労働をはじめとする人権侵害等の社会問題を助長していると考えられ、国際的に大きな問題となっています。

ヒキフネでは、調達活動を通して紛争、環境問題、人権侵害等の社会的問題を引き起こす懸念のある原材料の購入、および使用をしない取り組みを推進しています。

*「紛争鉱物」武装勢力が関与したタンタル・錫・タングステン・金 が含まれています

地域とのかかわり

ヒキフネが現在地・東四つ木に移転したのは1972(昭和47)年。地下に貯留ピットを設け、排水や廃液を全て処理するなど、当時から環境対策には力を注いできました。お客さまに愛されるのと同様に、地域から愛されることはヒキフネにとっての責任であると同時に存立の条件でもあります。

そこでヒキフネでは、1980(昭和55)年から毎年8月に「ヒキフネ祭り」を開催し、地域の皆様との交流機会を設けてきました。現在は町会の「ふるさと祭り」と共催となったこのヒキフネ祭りでは、社員が揃いの法被をまとい、手作りの盆踊り、金魚すくい、焼そば、かき氷などをお楽しみいただいています(もちろん従業員も楽しみにしています)。

すでに30回以上開催されているヒキフネ祭りですが、子供の頃に体験した従業員が入社するといった出来事もありました。他にも、小学生の体験学習に協力したり、地域の平和橋町会と合同での防災訓練を行うなど、地域との関わりを深めています。AEDの設置も含め、いざという時に備えています。

ヒキフネが2005(平成17)年に「葛飾区優良工場」、2008(平成20)年に「葛飾ブランド 葛飾町工場物語」の認定を受けられたのも、優れたものづくりだけでなく、このような地域貢献活動が評価されたことと受け止めています。
ヒキフネは雇傭の創出を含めて、東京・葛飾区になくてはならない、必ず社会の役に立ち、新しい価値を創り出す企業でありたいと願っています。

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